さようなら、ドレミファインバータ

2023年3月12日

ついにこの時がやって来てしまいましたか・・・

2100形から続いてきたドイツ・シーメンス製のGTO-VVVFインバータ(通称:ドレミファインバータ)が2021年の夏で見納めになるとのこと。
これは現在稼働中の1000形1033編成が、恐らくこのタイミングで更新工事に入るものと思われるからだ。

出場後は当然ながら違うメーカーの機器になると思われるため、1998年から約23年続いてきた「ドレミファインバータ」にピリオドを打つ。

京急と「ドレミファインバータ」の関係が始まったのは、1998年に京急創立100周年記念で導入した「2100形」がきっかけ。
その後、JR東日本で同じシーメンス製のVVVF制御装置を持ったE501系が登場し、常磐線でも「ドレミファインバータ」を奏でていた。(※1)
2100形は現在まで10本が稼働中だが、全車両東洋電機製造のIGBT-VVVFに置き換えられてしまい2015年3月に歌わなくなってしまっている。

 

前述した2100形は都営線への乗り入れに合わせ貫通扉を採用したものの、乗り入れ運用には従事する事が無かった。(※2)
そこで2002年に登場したのが新1000形。制御装置は同一ながら3ドアの車両となり都営線への乗り入れにも対応するようになる。
この車両がきっかけで乗り入れ各社(都営・京成・北総)においても「ドレミファインバータ」が定着した。

 

そこから15年ほど経った2017年、新1000形がついに更新対象となり先陣を切って登場した1001編成が、車体と制御装置を更新した上で出場。
他の編成にてどんどん更新が進む中、孤軍奮闘していたのがこの1033編成である。
同時期に登場した1025編成は車体更新されていないものの、半更新状態かつ制御装置が変更され歌わなくなり、1033編成のみが唯一の「ドレミファインバータ」として活躍を続けてきた。

この夏で聴き納めとなる京急の「ドレミファインバータ」、皆さんも出会ったら一度は乗ってみて欲しい。
独特な音階を奏でて出発する姿を・・・。

 

※1:5両編成は2007年、10両編成は2012年に国産の装置(東芝製)に全車両交換済み。現在は常磐線土浦以北の運用と水戸線に従事している。
※2:基本的に都営浅草線への乗り入れは行わないが、2019年1月1日に「初日号」として初めて営業運転(浅草橋~三崎口間)。なお、非営業では2011年11月5日の「都営交通100周年記念フェスタin浅草線」の展示車両回送が初めての事例である。